主翼連結部

主翼の分割

主翼は格納・運搬の便利を考えて分割できるようになっています。B.Bの場合は下図のように7分割にしました。

各ピースの長さはCFRPパイプの型の長さ、リブ間隔、トラック大きさなどを考慮して決定します。バラバラにした翼は木製の専用収納箱に収納しています。

主翼分割図

主桁連結部

主翼差し込み部の構造

主桁の各パイプの連結は単純なさし込み方式です。

この差し込み部は強度的に不利になる部分なので、メス側には外周に何層かカーボンを巻いて補強しています。補強の厚みや差し込みの長さは重量と強度を考えて設計しましょう。確かB.Bの差し込みの長さは300mmぐらいだたっと思います。

それからパイプを差し込んでいるので、そのままだと捻れの力に耐えられずクルクル回ってしまいます。そこでB.Bでは二つの方法で回らないようにしています。

一つ目はリアスパーを利用して固定する方法。これは次のリアスパー連結部の節で詳しく解説しています。

二つ目はテープ止め。連結部にぐるっとテープを巻いて左右のリブを固定します。
リアスパーがない部分(翼端ピース)はテープだけですが、これだけでも捻り荷重には十分に耐えることができます。使っているテープは透明のPPテープで特別なものでありません。

連結部にテープで巻くことにはもう一つ重要な役割があります。それは、連結部の翼間の隙間を埋めるということです。この隙間は空力的に無視できないですからね。ですので、翼の連結部に全てテープを巻きます。

さて、連結部には捻れとは別にもっと差し込もうとする力もかかります。これはフライングワイヤーをつかう機体では避けられません。主翼にかかる曲げ荷重をワイヤーの張力と主翼の圧縮荷重に分散していますからね。フライト後の分解時にパイプが差し込まれすぎて抜けなくなる危険性があるのでその対策もしておかなければなりません。

B.Bでは下図のようにめり込み防止用にパイプのオス側にケブラーの紐を3~4回巻いて瞬間接着剤で固定しています。これぐらいで大丈夫です。プリプレグを積層してストッパーにするのが今どきかもしれません。連結部の断面図

それから連結部にくるリブはかなり頑丈に作ってあります。

この部分はフィルムのテンションが片側しかかからず内側に曲げられようとしますし、組立分解時には必ず持ちます。リアスパーがない部分では捻れ荷重も受け持たなければなりません。

B.Bではこの部分のリブだけ発泡スチロール+厚み5mmのスチレンで補強しています。

リアスパー連結部

リアスパーの連結は下図のような構造になっています。

リアスパー連結部

リアスパーの外側に塩ビパイプをはめてあり、これをスライドさせることでリアスパーを連結しています。スライドさせただけでは塩ビパイプが動いてしまうのでビスで固定。

塩ビパイプは径があうものであれば素材は何でもよいです。たしか現在はCFRPパイプを自作して使っていたような・・・

リアスパーの連結が主桁のように単純に差し込み式にできないのは、主桁パイプを抜き差しするときにどうしても翼を回転させる必要があるためです。主桁もリアスパーもどちらも差し込み式にすると回転させることができず、翼が組立・分解できません!

理論的には主桁の差し込み部の寸法をキッチリ合わせれば回転させる必要はないのですが加工精度の点で難しいと思います。