プロペラマウント
プロペラマウント概要
B.Bではプロペラは取付部でピッチ角を調整できるようになっています。ただし飛行中にピッチを変更する可変ピッチ機構はありません。技術・重量・コストの問題から当時は採用することはまったく考えていませんでした。地上で飛行前に調整できるだけです。
取付ピッチ角はテストフライトを繰り返し、適切なケイデンス・速度で水平飛行できるように調整していきます。そしてテストフライトで一番よく飛ぶ感触があった角度で本番に臨んでいました。ここは本当にテストフライトをどれだけこなすかがキーとなります。最近はどうなのかなぁ?
ちなみに可変ピッチを備えていないプロペラでは0発進時はプロペラが失速するのでものすごく重く推力もあまり出ません。このままだと離陸するときパイロットにかなりの負担が かかるので、テストフライトでは通称「機体加速班」が機体を押して補助しています。
取り付け部は強度と高い精度が求められるので、全てジュラルミンでNC削り出しです。B.Bの場合は強度計算をまともにしていなかった+加工技術が未熟だったため、はかなりオーバースペックな構造になっています。
プロペラ側詳細
プロペラ本体は上図にように根本の部分にCFRP板がついており、これとジュラルミン製のプロペラマウントをチタンビスで固定しています。
プロペラを固定 しているのはこのビス1本だけです。CFRP板の方はプロペラの桁とカーボンクロス+エポキシで接着されています。また、バルサとCFRP板のサンドイッ チ構造の部品で補強しています。
ピッチはプロペラマウントと、ドライブシャフトとの取り付け部で調整します。この方法によって、機体輸送時や格納時にプロペラを取り外しても、プロペラ マウントとドライブシャフトは結合したままなので一度調整したピッチがずれることはありません。このパーツを入れることで機体組み立て時の労力が軽減されました。
ドライブシャフト側詳細
この部分はプロペラマウントとドライブシャフトの軸受けを兼ねています。このパーツもジュラルミンの削り出しで、形状は八角形でかなりごつい(苦笑)
これは簡単に加工可能な形状ということで設計したのですが、あまりに重すぎるのでコンテスト直前にだいぶ削りました。それでもまだまだ重いです。(後の機体では肉抜きが多数施されかなりの軽量化が図られています)
プロペラマウントとは2本のキャップボルトで固定されています。これをゆるめることによってプロペラマウントが回転し、ピッチを調節できるようになっています。ドライブシャフト側の平らなところに目盛りが付けてあり、細かくピッチが調整できるようになっています。
ドライブシャフト全体の詳細は胴体・駆動系のページを参照してください。